2010年1月23日土曜日

BODY LANGUAGE


セリーヌ 26歳の場合

「彼女とはもう終わったって言ったじゃない!
  あなたは私のことなんて愛していないんだわ もううんざり」

セリーヌは自分でも驚くほど大きな声を上げていた。

しんとした空気のなか彼女は身震いをして 
受話器を持ったまま、そばにあるセーターをたぐり寄せた。
越したばかりのフラットには、荷解きしていない本や
安っぽい傘が濡れて開いたままだ。

彼の沈黙がひとしきり続くと、
セリーヌは足の小指の爪が伸びているのに気がついた。
時計は午前2時を過ぎている。

「わかった。もういいわ」
静かにそう言い電話を切ると、バスルームに行った。

バスタブの縁に腰掛けて熱い湯を出すと涙があふれてきた。
鏡に映る自分を見て彼女はもっとオーバーに泣いてみた。
ふと気がついて見たら、まだ湯はたまっていない。

ベットに素早くもぐりこむと、もう怒っていなかった。
「彼ったらわたしに夢中なのよね、たぶん」

セリーヌが週末に着るドレスはもう決まっている。


MOSCHINO HEART SHAPED LEOPARD BODY-CON 90's DRESS
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